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「入所率低下施設の広域利用の検討を」第118回介護保険部会 染川会長発言

2025年03月18日掲載

3月17日(月)、「第118回社会保障審議会介護保険部会」が行われ、NCCU染川朗会長がWEBで出席し、意見を述べました。

【議題】
1.地域包括ケアシステムにおける高齢者向け住まいについて
2.その他 (1)介護情報基盤について (2)その他

●過剰か適切か、在宅独居高齢者などのケアプランと比較し判断する仕組みの構築を
染川会長は、議題1.の一つめの論点としてあげられた“不適切な運営を行う事業者への対応”について次のように発言しました。
「ケアプランの点検事業の体制強化を行っていくことが最も効果的である。
ただし、自宅で介護サービスを利用している独居高齢者とのケアプランとの比較や、包括報酬の介護付有料老人ホームを利用している場合のケアプランとも比較し検討したうえで、客観的に過剰であるのか、適切なのかの判断ができる仕組みを構築しなければならない。その際、過度な抑制により必要に応じた適切な介護サービスの提供に支障が出ないよう、慎重に検討しなければならない」

●入所率低下の地域や施設の広域利用の促進の支援の検討を
議題1.の二つ目の論点、“住まいの確保が困難な事情を抱える高齢者への住まい支援”について、染川会長は厚生労働省の示す資料に、住まいと生活の一体的な支援として『養護老人ホーム』と『軽費老人ホーム』の活用促進に触れられている点に注目。
そのうえで、「高齢者数がピークを迎える時期は、都市部では2040年頃が多い一方で、地方では既にピークを迎え、これからピークアウトしていく地域があること。また全国的には希望しても入所できない待機者が発生していること。これらを踏まえると、住み慣れた地域で暮らし続けられるように、という地域包括ケアシステムの考え方からは外れてしまうが、社会資源の有効活用という観点から、特に入所率が低下傾向にある地域や施設については、広域利用を促進していけるよう、事業者や利用者への支援をすることも検討を」と求めました。

●調査、検討会での懸念へ対策を十分に行ったうえで進めていくことが重要
議題2.では、「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事」について厚労省が報告。
これに対し、まずNCCUの上部団体『連合』の小林司委員が発言しました。
小林委員は、厚労省の『外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会』の中間まとめから次の一文を引用。『現場における日本人の負担増に対する懸念、外国人介護人材の日本語能力の課題などを踏まえれば、安易に認めるべきではなく、今後急増する国内の介護サービス需要に対応する安定的な人材確保に向け、日本人介護職員の賃金や労働条件の改善など環境整備に取り組むことが重要』と、検討会では慎重論があったことを強調しました。

この意見に加え、染川会長は、「2024年に厚労省が発表した『外国人介護人材の就労実態に関する調査研究事業報告書』によると、受入れ事業所の見解として、技能実習・特定技能ともに『一定の要件を設ける場合を含めても、訪問系サービスに該当する全てのサービス種別で受入れは可能』としている事業所は1割程度しかない。そして『要件に関わらず、訪問系サービスでの受入れは難しい』と答えた事業所が6割程度であった」と指摘。
さらに、「このような状況にあるからには、調査や検討会で懸念されていることへの対策を十分に行ったうえで進めていくことが重要で、問題が発生していないかの確認も随時行っていく必要がある。また、同時並行で、人材不足の根本的原因である労働条件の改善を速やかに進めてもらいたい」と要望しました。

NCCUは今後も、各種調査結果や組合員の皆さんの声をもとに発言を続けていきます。

今回の資料は第118回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省に掲載されています。

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