9月13日(金)「第81回社会保障審議会介護保険部会」がベルサール九段(東京都千代田区)で開催され、久保会長が委員として出席しました。※資料はこちら
【議題】
1.介護保険事業(支援)計画
2.介護サービス基盤整備
3.認知症施策の総合的な推進
4.その他
久保会長は、介護従事者の処遇改善の重要性について以下の意見を述べました。
■介護保険事業(支援)計画について
『介護を行う家族への支援や虐待防止策の推進』について意見を申し上げます。在宅介護を行う介護者が、介護疲れによって身体だけではなく精神的なバランスを崩してしまうことは珍しくありません。厚生労働省の2016年国民生活基礎調査によりますと、同居の介護者で悩みやストレスを抱えている割合は68.9%にも上ります。また、NCCUが2018年4月に行った「ご利用者・ご家族からのハラスメントに関するアンケート調査」によると、ハラスメントが発生している原因として「介護従事者はストレスのはけ口になりやすい」と回答した介護従事者が5割を超えている結果が出ております。
国は現在、家族介護支援について、地域支援事業の任意事業の中に位置づけていますが、地域の実情によって実施内容は様々です。目的は、家族介護者の身体的・精神的・経済的な負担の軽減です。したがって、家族介護者のレスパイトの観点からも、自治体に設置している相談窓口の周知をするとともに、家族介護教室や家族介護継続支援事業による介護者交流会等を、積極的に開催し、家族介護者に対する支援の強化を行うことを要望します。
■介護サービス基盤整備
「第7期介護保険事業計画におけるサービス量等の見込み」では、今後全てのサービスの量が増加することが示されており、サービスの受け皿整備を進めて行かなくてはなりません。しかし、受け皿だけではなく、そこで働く介護従事者を増やして行かなくては、現在要介護者を抱えて働いている介護者の介護離職を減らすことはできません。
以前の介護保険部会の中でも、人材確保について意見申し上げておりますが、現在でも、新設の施設では、介護職員が集まらないため開設できないところもあります。既存の事業所では、人材不足のため、ご利用者をお断りするケースが発生しています。また、介護人材が集まらず廃業する経営者もいます。国は介護人材確保のために様々な施策を進めていますが、介護従事者の処遇改善が最も有効な対策であり、介護保険制度の持続のためにも更なる処遇改善を図らなければならないと考えています。介護人材確保対策については、より一層の取り組みを強く要請します。
次回は9月27日を予定しております。