9月7日「第63回社会保障審議会介護保険部会」が東海大学校友館で行われ、委員である陶山浩三会長が出席しました。
議題
1、 介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)
2、 保険者の業務簡素化(要介護認定等)
3、 認知症施策の推進
今回は、NCCUで毎年行っている各種調査の結果をもとに、介護人材の確保について次のように発言しました。
「就業意識実態調査の結果によると、月給者、時給者ともに3年未満の勤続年数が低下しており、3年以上10年未満についても若干低下傾向が続いている。また2013年より勤務日数や勤務時間数が増加を続け、年次有給休暇についても『取得することが難しい』と答えた方が増加し続けている。労働環境の悪化は年々厳しくなっており、中堅から新人への技術・業務の継承が困難になりつつあることや、継承すべき人材の定着が進まず質と量に大きな問題が発生している。
また、法令上提出が必要な書類や法人が必要とする内部用書類も増加しており、業務効率化どころか業務過多につながっている現状がある。
このような現状を踏まえ、書類等の見直しだけでなく、介護業界が共通して利用できるアプリの開発やタブレット端末などの導入を含めICT化を進めることは必要と考える。
また、介護職員処遇改善加算Ⅰの加算取得要件に職場環境等要件があり、『ICT活用による事務負担軽減』」や『介護職員の腰痛対策などを含む負担軽減のためのロボットやリフト等の介護機器の導入』が選択項目にある。
2015年に実施した『処遇改善調査』の中で『2015年4月以降に業務に関連するシステムが導入・変更され、業務効率の改善が図られた』と答えた組合員は月給者12%、時給者8%となり、職場環境等要件の中でもICT活用や介護ロボット等の介護機器の導入を選択する法人は少ない現状がある。事業者へのICT化、介護ロボット導入に対する支援が前提ではあるが、この加算要件を精査し、よりこの内容を選択した場合の優遇措置に知恵を出すことも一つの解決策となるのではと考える」。
さらに、保険者の業務簡素化についても、介護事業所70か所を対象にした介護認定に係るアンケートをもとに次のように発言しました。
「要介護認定の申請後、認定結果が通知されるまでの期間は原則30日以内とされているが、現状の通知期間は平均36日になっている。この期間を縮めるために審査会等の事務負担軽減や状態安定者の二次判定手続きの簡素化を可能な限り進めるべきと考える。NCCU内の介護事業所70か所を対象にした介護認定に係るアンケートの結果によると、認定結果が遅れている場合の行政から受ける説明で一番多かった答えが『主治医の意見書がそろわないから』、二番目は『認定調査員の認定訪問日が決まらないから』であった。また、意見の中には『主治医の意見書の提出が遅い病院は決まっているので行政から指導して欲しい』というものもあった。認定審査については利用者も一刻も早い認定を望まれているので、個別対応も含め期間短縮に協力していただけるように何らかの方策が必要と考える」。
次回の同部会は9月23日に開催される予定です。