ケアマネジャーの研修費用については、以前から「各都道府県によって研修費用に差があること」に対して、組合員の皆さんから多くの不満の声が上がっています。
そこで今回は、ケアマネジャーの研修費用に対するNCCUの取り組みをお伝えします。
表からも分かる通り、ケアマネジャーの研修は「労力」と「費用」の負担が非常に大きいです。一部の法人では、更新費用を負担してくれる場合もありますが、全ての法人が負担してくれるわけではありません。また、有給休暇で研修を受講しなければならないケースもあります。
ケアマネジャーの負担を少しでも軽減できるように、NCCUとしても様々な活動を通じ、国や自治体に働きかけを行っています。
1.国に対する活動
介護支援専門員質向上事業のガイドラインで、研修費用は、「地域医療介護総合確保基金を活用することにより、研修受講者の研修にかかる費用負担を軽減することは、介護支援専門員の負担を軽減や研修を受けやすい環境を整備する観点から有効である」と記されています。しかしながら、地域医療介護総合確保基金の活用はすべての都道府県で出来ているわけではありません。
その様な現状について、染川会長は、介護保険部会の中で2025年度から始まる「第9期介護保険事業支援計画の基本指針」の策定にあたり、次のように発言しています。「地域医療介護総合確保基金をケアマネジャー法定研修の受講料の負担軽減に活用している都道府県は少なく、地域医療介護総合確保基金を活用している都道府県と活用していない都道府県によって法定研修の費用に大きなばらつきがあるために、強い負担感を訴えているケアマネジャーが大勢いる」。その上で、「地域医療介護総合確保基金を活用できることを基本指針に具体的に記載することで、法定研修を受講するケアマネジャーの経済的負担軽減につながるようにしていただきたい」と働きかけました。
2.自治体に対する活動
(1)中国・四国総支部
NCCUと政策協定を結んだ議員が、広島県・広島市議会で、「主任を含むケアマネジャーの各種法定研修費用の見直し・補助」等について質疑に立ちました。
その中で、「広島県のケアマネジャーの各種法定研修は、全国と比較しても大変高い設定になっている」とし、国が自治体に対して費用面での負担を軽減するよう促していることから、「広島県としても、地域医療介護総合確保基金を活用するなどして、受講者の負担の軽減を図るべきである」と訴えました。
■広島支部ニュース第91号(広島県・広島市議会で、NCCU と政策協定を結んだ議員が介護業界の課題等について訴えました)
(2)近畿総支部
近畿総支部兵庫支部は、昨年の「NCCUタウンミーティング」で議論になった介護支援専門員等の実務研修の受講費用や試験受験料の費用負担の問題について、UAゼンセン組織内議員と連携を図り、市議会において議論を進めていただきました。
その結果、明石市では令和4年度予算の中で、「介護関連の資格取得研修費用」や「試験料」について、市が一部を助成することが確定しました。
■兵庫支部ニュース第124号(明石市議会報告~組合員の要望が市議会で実現~)
このように、ケアマネジャーの研修費用の問題については、各総支部で実施しているタウンミーティングや、NCCUの活動に理解を示していただいている各地方議員との連携を通じて取り組みを進めています。