日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、組合員の就業意識や実態を把握するために、毎年『就業意識実態調査』を行っており、調査結果はNCCUの産業(介護)政策や労働政策に反映しています。
『2024年度就業意識実態調査』では、転職に対する意識や新型コロナウイルス感染症の5類移行後の職場の変化、介護現場におけるハラスメントの近年の状況などを調査しました。
『2024年度就業意識実態調査』概要
◆結果は本ページ下部の電子ブックPDFでご覧になれます◆
■調査期間:2024年3月27日~4月30日
■調査方法:月給制組合員4,989名、時給制組合員3,644名を対象に調査票を配布
■回答数 :5,623名(回収率65.1%)
8月30日(金)、NCCU本部にて記者報告会を開催し、内容を公表しました。
村上久美子副会長は、転職に関する意識についての設問で、『労働条件がよくなるなら介護業界以外への転職を考えている』との回答が月給制組合員でおよそ3割、時給制組合員でおよそ2割だったことを踏まえ、「他産業の賃上げ率がかなり高くなっていることから、今後も介護業界から他産業へ人材が流出していく可能性がある。国はもっと危機感を持って他産業との賃金格差の是正を図るべき」と指摘しました。
さらに村上副会長は、「『労働条件がよくなるなら介護業界の他社への転職を考えている』との回答が月給制組合員でおよそ4割、時給制組合員でおよそ3割だった。転職の際に重視しているのが賃金をはじめとした労働条件との回答が最も多かったことから、事業者にとっては、労働条件を整えれば即戦力の人材を獲得できるチャンスであるともいえる」と述べました。
また、染川朗会長は報告会の冒頭、2024年の賃上げ交渉について、8月29日までの状況を報告しました。「月給制組合員の賃上げ率が3.2%。そのうち国の施策による上昇分が1.29%。国は今年、2.5%の処遇改善を行うとしていたが、今のところ効果は微々たるもので、他産業の賃上げ状況をみれば、賃金は大きく差が開いた。この状態では人材不足にますます拍車がかかる。国は処遇改善の調査を9月から開始し、3月に結果を公表するとしているが、それでは遅い」と指摘。さらに「こうした課題を多くの人に知ってもらえるよう、ぜひ報道してもらいたい」と述べました。
【NCCU組合員の皆さまへ】
介護に関連する組合員にはお勤めの事業所に、個人組合員の方にはご自宅に『2023年度就業意識実態調査 速報版』をお送りしました。事業所に立ち寄ることが少ない組合員の方は、本ページ下の電子ブックでご覧ください。
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