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とりくみ Labor policy / Political action

「ケアマネジメントの利用者負担導入は慎重に」第98回介護保険部会で染川会長が発言

2022年9月28日掲載

9月26日(月)13:00~15:30、「第98回社会保障審議会介護保険部会」がWeb会議で開催され、染川朗会長が出席しました。

【議題】
1.給付と負担について
2.その他の課題について

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■ケアマネジメントの利用者負担の導入は慎重に検討すべきである
染川会長は、給付と負担の問題に関わる「ケアマネジメントに関する給付のあり方」について、次のように発言しました。
「資料によると、『財政審において、第9期介護保険事業計画期間から利用者負担を導入することは当然であると指摘されている』とあるが、私どもの組合員を対象にした調査では、『利用者負担を導入し、現行の10割給付は維持しない方が良い』との回答は6,094人中446人、7.3%で、ケアマネジャーのみに限ると651人中23人、3.5%にとどまる。一方、『利用者負担を導入せず、10割給付を維持した方が良い』と考える理由としては、『お金を払っていることを理由に、本来の自立支援と違った内容での強い依頼内容が増加する可能性が高くなり、ケアマネの専門性が損なわれる』『公正中立を確保できなくなる』『支援困難ケースの介入が遅れる』などの懸念が寄せられている。
ケアマネジメントに利用者負担を導入することについては、高齢者等の要介護状態の悪化などの影響に加え、セルフプランや利用者の希望を必要以上に反映させた自立支援とは異なるプランが増えることにより給付費の増加につながることも懸念され、介護保険制度の持続可能性に悪影響を与える恐れもある。利用者負担の導入は、慎重に検討すべきである。
また、財政審は『居宅介護支援事業所の9割が介護事業所に併設しており、サービス提供に公正中立性の問題が存在している』としているが、自法人のサービス利用を求められる理由は、居宅介護支援事業所の収支差のマイナスが続いていることから、居宅介護支援事業所を維持するために自法人の別の事業による収益に依存せざるを得ない事業所が多いためだ。改善するためには、居宅介護支援事業所が独立採算で持続可能な収支差となる介護報酬を設定することが最も重要である」。

■要介護者向けの介護サービスを介護保険から除外するのは適切ではない
また、「軽度者の生活援助サービス等に関するあり方」について染川会長は、「財政審は『要介護1・2の訪問介護・通所介護についても地域支援事業への移行を可能とすべき』としているが、現場からは、『実際のところ要介護1・2の方でも多くの支援を要する方は多く、一様に要介護1・2というだけで軽度と判断することは出来ない』『認知症があっても軽く判定が出てしまいがちで、認知症の高齢者こそ専門職の関わりが必要』との声があり、そういった方々の在宅生活の継続や重度化防止という観点が必要だ。そもそも介護保険制度は要介護者のための保険制度であり、一部のサービスとはいえ、要介護者向けの介護サービスを介護保険から除外することは適切ではない」と指摘しました。
さらに、要支援者向けサービスを地域支援事業へ移行した際の状況にも触れ、「サービス単価の切り下げが相次いだことから撤退する事業者が出たほか、介護職員の賃金が引き下げられるなどし、現場からは『同じ内容の支援にを行っているにも関わらず、賃金が下がるのは納得できない』と不満の声も出た。
まずは、そういった要支援の地域支援事業移行時の課題について検証を進める必要がある。それに加え、地域への負担が大きくなるので、現在の地域支援事業の実施体制が十分に整っているのか、さらに拡充することが可能なのかを考慮しつつ検討することも必要だ。しかし、現段階では、これらについて十分に検証、検討されているとは言い難く、要介護1・2の地域支援事業への移行を判断することは拙速であり、判断する段階にもない」と、介護現場の実態を踏まえ、意見しました。

介護保険部会は今後も議論を重ね、年内に意見を取りまとめる予定です。NCCUは引き続き、介護現場を支える組合員の声をもとに発言していきます

今回の資料は厚労省サイト(第98回社会保障審議会介護保険部会)でご覧になれます。

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