6月5日(金)、参議院本会議が開会され、介護保険法の一部改正が含まれた「地域共生社会の実現のための社会福祉等の一部を改正する法律案」が上程されました。UAゼンセン組織内議員である田村まみ参議院議員は、NCCUと問題意識を共有した上で、この法律案に反対の立場で討論しました。
その中で、介護人材の確保に関する改正が極めて不十分であることを挙げ、次のように述べました。
「この法案では『市町村が作成する介護保険事業計画の記載事項に、介護人材の確保の取り組みを追加する』ということになっているが、実質的に見れば現状と何ら変わることのない内容と指摘せざるを得ない。今、本当に必要なのは、新型コロナウイルス感染症の感染リスクと日々隣り合わせで働く、介護現場の職員の献身的なご尽力に報いるような、賃金アップに直接つながる具体的な処遇改善策を規定した法律案だ。私たち野党が提案している処遇改善策は、賃金アップに直接つながる助成金を支給するものである」
そして、介護現場のハラスメント対策についても「極めて不十分である」とした上で、
「UAゼンセン日本介護クラフトユニオンが2018年に行った2,411人の介護従事者へのアンケートでは、『ご利用者やそのご家族からハラスメントを受けたことがある』と答えた割合は74.2%、1,790人にも上る。しかし、政府案には、介護現場におけるハラスメント対策に関する規定が一切ない。私たち野党が提案している法案では、事業主に対し『介護現場におけるハラスメント防止措置に関する努力義務』を課している。
このように、介護人材の確保は喫緊の課題と言いつつ、条文のどこを見回してもその人材の当事者である介護現場で働く労働者の視点は入っていない。政府は現場を見ていない」と強く訴えました。
とりくみ Labor policy / Political action
田村まみ参議院議員が介護現場の思いを訴えました
2020年6月9日掲載