8月30日、民主党の山井和則・長妻昭 両議員がNCCU本部を訪れました。
来訪の目的は、社会保障制度改革 国民会議の報告書に記された介護予防給付の見直し(要支援者向けのサービスを市町村事業へ移行する案)について介護現場の意見をヒアリングする為で、両議員を出迎えた染川朗事務局長、村上久美子政策部長は、NCCUがホームページ上で組合員に行ったアンケートの結果なども紹介しながら、意見交換を行いました。
また、「実際にサービスを利用している要支援のご利用者と、そのサービスに携わっている介護職員に話を聞きたい」との要望に応え、NCCUケア21分会の協力を得て、9月5日に介護現場の視察が行われました。
民主党議員の求めに応じ、要支援者向けサービスについての意見交換を行いました
当日は、山井・長妻両議員と大畠章宏幹事長の三氏が、『介護予防訪問介護』と『介護予防通所介護』の現場を訪問。ご利用者と介護職員に直接面談し、現在の状況や制度改正案についての意見や要望を聞き取りました。
介護職員からは、「私たちは単に掃除をしているだけではなく、会話を通じて心のケアをしたり、体調管理にも気を配ったり、状況によってはケアマネや医療との連携もする。これは、専門職でなくてはできない仕事だと思う」「要支援の方ができるだけ長く元気でいられるようにする為には、デイサービスなどを利用して、定期的に外出したり、体を動かす機会を確保するのはとても大切。こうしたサービスによって要介護に進行する人が減れば、結果的には財政面の負担も少なくなるのではないか」などの意見が伝えられました。
こうした現場の声に対し、大畠幹事長は、「サービスの質の低下をきたさないことが大事。予算節約の為だけの制度改正は問題だと言わざるを得ない」と発言。長妻議員は、「そもそも要支援は、要介護になる人を減らす目的から2005年に介護保険に加わったもの。その理念に反して要支援を外せば、介護を必要とする人がさらに増えてしまいかねない。それでは元も子もない」と指摘しました。
山井議員は、「市町村事業へ移行した後が具体的にどうなるのか、まったくわからない。見通しが立たないまま市町村への移行を決めてしまうのは無責任だし、拙速。一部に不適正なサービス利用があるというのなら、それは別に対応すべき問題だ」と述べました。
今後もNCCUは、現場の実態や組合員の声が介護保険制度見直しに反映されるよう、積極的に各級議員との連携を図っていきます。
民主党議員三氏は、訪問介護と通所介護の現場に直接足を運び、ご利用者と介護職員の声に耳を傾けました
視察後、記者団の取材に応じる大畠幹事長(中央)