NCCUは10月15日、「2027年度介護報酬改定に向けた署名活動」で寄せられた83万1,542筆の署名を、厚生労働大臣あてに提出しました。
この署名活動は、2027年度の介護報酬改定が介護従事者の処遇改善につながるものとなるよう求めるとともに、7月に厚生労働大臣あてに提出した「介護報酬改定に係る要請書-介護人材確保のために-」の実現を促すため、本年6月から実施したものです。
要請事項として、次の2点を掲げています。
1.介護従事者が、介護の仕事を安心・安定して永く続けることができる水準に介護報酬を設定してください。
2.ご利用者・ご家族そして介護従事者が、理解し納得できるよう簡素な仕組みの介護報酬を設定してください。
・今回の活動で使用した署名用紙(要請内容)はこちら
15日午後、染川朗会長、村上久美子副会長、島卓事務局長は厚生労働省を訪れ、浦野靖人厚生労働副大臣と面会し、83万1,542筆の署名を手渡しました。
染川会長は、介護従事者が集めた15万4,000筆に加え、UAゼンセンの他産業で働く仲間から67万7,000筆の賛同が寄せられ、合計83万1,542筆の署名が集まったことを報告しました。
その上で、「社会保障費の負担が増える可能性があるなかでも、これだけの署名が集まったことは、社会保障費を抑えるために介護従事者の賃金を抑制するべきではないと考える人が多いことの表れだ」と述べ、介護従事者と他産業との賃金格差の是正に向けた早急な対策を求めました。
続いて村上副会長が、2027年度介護報酬改定に向けた二つの要望を説明しました。
一点目として、「介護従事者が安心して、安定的に長く働き続けられる水準に介護報酬を設定していただきたい」と要請。
国による処遇改善施策が進められる一方、他産業でも賃上げが進み、賃金格差の解消には至っていないことや、事業者が低い介護報酬と物価高の中で、賃金を上げたくても上げられない実情を訴えました。
その上で、「このまま人材流出が続けば、必要な介護を受けられない方や、家族の介護のために仕事を辞めざるを得ない方が増えかねない」と述べ、人材確保につながる介護報酬水準への引き上げを求めました。
二点目として、「利用者、ご家族、介護従事者が理解し、納得できる、簡素で分かりやすい介護報酬の仕組みにしていただきたい」と要請。
加算の増加によって制度が複雑化し、内容の理解や必要な対応、利用者・家族への説明が現場の大きな負担となっていることを指摘しました。
算定率の低い加算の整理を進め、自立支援に向けた適切なケアプランの作成とサービス提供に注力できる仕組みへの見直しを求めました。
また村上副会長は、「介護の現場で働く人は、利用者の人生に最後まで寄り添い、支えている。その支えが、ご家族の安心にもつながっている。ぜひ、その現実を見ていただきたい」と述べ、「介護を担う人が誇りを持って働き続けられるよう、賃金・処遇の改善と介護報酬の引き上げを実現していただきたい」と訴えました。
また、要請に同席したUAゼンセン組織内議員の田村まみ参議院議員は「月収だけでなく、年収の差にも目を向けていただきたい」と述べ、「加算や手当による賃金改善分が賞与の算定に反映されず、月収の差が縮まっても年収では差が開いてしまうという問題がある。こうした視点でも検討をお願いしたい」と求めました。
これを受け、浦野靖人厚生労働副大臣は、「介護人材の処遇の問題は、かなり前から指摘され続けている。その都度、手当などの対応は行われているが、全産業と比べると、なお約8万円の賃金差があり、ほとんど縮まっていない状況である」との認識を示しました。その上で、「どこまでできるかは分からないが、政府の中で、しっかりと声を上げていきたい」と述べました。
なお、今回の要請には、UAゼンセン組織内議員のかわいたかのり参議院議員をはじめ、田村まみ参議院議員、堂込まきこ参議院議員、河井昭成衆議院議員もご同席くださり、NCCUの要請を後押ししていただきました。
署名提出後には記者報告会を開催し、染川会長と村上副会長が署名提出の報告と要請事項について説明しました。

2027年度介護報酬改定に向けた議論は、今後本格化していきます。NCCUは、今回寄せられた83万1,542筆の署名に込められた思いが介護報酬改定に反映されるよう、引き続き取り組みを進めていきます。
今回の署名活動には、NCCU組合員をはじめ、UAゼンセン加盟労働組合の仲間の皆さま、趣旨にご賛同いただいた全国の介護従事者・介護事業関係者の皆さま、さらに業種や年齢を問わず多くの皆さまからご協力をいただきました。
心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。