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第68回介護保険部会「在宅医療・介護の連携等の推進」

2016年11月21日掲載

11月16日「第68回社会保障審議会介護保険部会」が、ベルサール半蔵門(東京 千代田区)で開催され、陶山顧問が出席しました。
資料については厚生労働省のホームページに掲載されています。
資料はこちら

議題
1.医療・介護の連携等の推進
2.その他

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今回の議題は、第56回(2016年3月25日開催)で行われた「在宅医療・介護の連携等の推進」の二順目の論議となりました。この推進事業は前回の制度改正で地域支援事業の包括的支援事業に追加され昨年の4月からスタートしていますが、第56回の報告では市町村の規模によって進捗に大きく差があることが報告されていました。

陶山顧問は「1.医療・介護の連携等の推進」の5つの論点に対して次のように発言しました。
○在宅医療・介護連携推進事業の8つの事業項目をすべて実施している市町村は全体の10%であり実情は進んでいないようです。
課題は小規模市町村の進捗(特に5万人未満)にあることは明らかであり、実施できていない主な理由や課題で共通しているのが、①市町村外への医療機関の受診が近隣市町村との調整に手間取っている②市町村内の医師会との連携不足③有資格者を含む人材確保の困難性です。
そのうえで根底に潜むのが、参考資料14ページの自由記載にある「29年4月までの移行を求められている介護予防・日常生活支援総合事業を優先せざるを得ず後回しになっている」との指摘であり、総合事業・包括的支援事業全体での連携、そして優先順位の調整の難しさだと考えます。

○対策としては、論点にもあるように滋賀県や福井県の好事例等を広く紹介するとともに、その地域の実情に応じた取り組みを支援していくことを市町村や市町村支援を担う都道府県に示していくことが必要だと思います。

○加えて「在宅医療・介護連携推進事業の手引き」が厚労省から示されていますが、推進事業が開始された昨年3月以降改訂されていません。資料4ページに紹介されている国が示していない取り組みの中にも地域の実情に応じた好事例もあるとのことなので、早急に最新版への改訂を進め周知していただきたい。そして総合事業・包括的支援事業全体の係わりについて、どのような連携の優先順位が高いのか、必要であればガイドラインを整え交通整理をした上で、市町村、都道府県へのバックアップを行うことが大切かと思います。

○さらに、第56回の時にも出ていました「ノウハウが乏しい」との課題が未だに払拭されていないところから、特に、医療・介連連携の課題抽出や医療・介護関係者の研修に重点を置いて取り組んでいただきたい。

○そして、地域支援事業の論議の中でもご指摘させていただきましたが、現場は予防プランの報酬低下による引き受け手の不在や、的の絞れない会議体の開催、付随する業務量の増加等で予防介護への安定したサービスの提供が困難になりつつある地域もあると思います。今は総合事業の課題を早急に改善する方向と、総合事業と医療・介護連携をいかに利用者にとってストレスなく導入できるよう全力を注ぐことだと思います。

以上

次回の同部会は11月25日を予定しています。

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