9月23日「第64回社会保障審議会介護保険部会」が厚生労働省講堂で行われ、委員である陶山浩三会長が出席しました。
議題
1.保険者等による地域分析と対応
2.介護保険総合データベースの活用
3.サービス供給への関与のあり方
4.ケアマネジメントのあり方
「1.介護険者等の地域分析と対応」「2.介護保険総合データベースの活用」について次のように発言しました。
「保険者の地域特性は、その規模や場所により様々である。総合事業の進み方が保険者によって大きく違う要因として自治体担当者の異動や人材不足によるノウハウの蓄積不足ということが指摘されている。したがって、保険者に対し、国や都道府県の一層の支援がこれまで以上に欠かせない。また介護保険総合データベースの活用については、個人情報が特定されるリスクが伴うため、第三者への提供は従来の個人情報保護法だけではなく、一段と厳しいルールを策定し進めるべき」
「3.サービス共有への関与とあり方」についても次のように発言しました。
「会計検査院が保険者に行った『提供能力(事業所数)とニーズの関係』についての調査結果によると、訪問介護・通所介護共に『適切であるか判断できない』と回答する保険者は4割だった。まずは保険者が判断できない理由を明確にしなければ、事業者の納得性を得られない可能性が高い。また、質の管理に課題がある状況で、量との関係だけで単純な規制は困難だと考える。さらに、将来に向かって需要がどの程度継続するのかを見込むことが大切であり、保険者は事業者と情報共有をして供給側として経営的にどうなっていくのかを検討いただく事も必要ではないか」
最後に「4.ケアマネジメントのあり方」については、次のように発言しました。
「ケアマネの資質の向上を図る観点から、利用者に応じたアセスメント及びモニタリングプロセスの標準化や、今以上に医療につながるサポートを求められると、ケアマネ業務は更に増え、専門性も高くなる。そうなれば質の向上に見合った介護報酬についても考えなければならない。知識・スキルを持った人材が不足している等言われているが、ケアマネに限らず優秀な人材の確保の為にまずは適切な介護報酬が必要不可欠と考える。
また、ケアマネの勤務上の悩みでは「賃金が低い」が高い数字となっている。NCCUが去年行った調査では、処遇改善加算の対象介護職員と比べ、ケアマネの賃金増加額は低く、全産業の平均賃金と比較しても7万円以上の格差がある。一億総活躍プランの一つに“介護従事者の処遇改善”が予定されているが、ぜひケアマネ等も含めご検討いただきたい。更に、介護給付費分科会とも連携して業務に見合った報酬改善を求めたい」
「最後に、ケアマネジメントの利用者自己負担については、介護保険制度のサービスの入り口として、ケアマネに気兼ねなく相談ができるように原則、税で行ってきたと考えている。今、自己負担導入の時期か否かを冷静に見る必要があると思う」
次回の同部会は9月30日を予定しています。