8月19日、「第61回社会保障審議会介護保険部会」が東海大学校友会館で行われ、委員である陶山浩三会長が出席しました。
今回は、
1.利用者負担
2.費用負担(総報酬割・調整交付金等)
3.その他
陶山会長は、「利用者負担」についてNCCU政策委員から行ったヒアリングを基に、次のように発言しました。
「平成26年改正において、一定以上所得のある方について負担割合を2割としたことについて現場職のアンケートを実施した結果、一定の理解を得られた方が大多数を占めた。一方で、『行政から2割負担対象者への説明が十分でない』との意見も大きく上がり、行政のしっかりとした対応が重要と考える。また、2割負担になったことによって、『利用控えが拡大し、家族介護の負担が増大するのではないか』と懸念する声も現場に従事する組合員から大きくあがった。」
「高額介護サービスの見直しについては、医療保険と介護保険の前提が違うことを考慮すべきと考える。具体的には医療は一部の治療を除けば治癒するものだが、要介護状態は長く続き、自己負担限度額の上限に張り付くことが多く発生すると思われる。高齢世帯の暮らし向きは様々であり、利用者負担を一律に見直すことは課題があると考える。給付のところでも指摘したが、生活困窮者に配慮したセーフティネットを同時に構築することが重要。」
「最後に、補足給付についてだが、昨年8月に補足給付を無くしたことで、真に介護を必要とする人まで利用できなくなったことは、本来あるべき介護保険制度とかけ離れたものであると思う。最近特養の待機者が減少し、厚生労働省も実態調査を決めているが、お亡くなりになったケースを除く退所者調査はされているのか。実は、補足給付の対象外とされたことから特養の利用料が月6万円から12万円に増え、自己負担に耐え切れず特養を退所したケースがあるようだ。是非、一定の緩和措置を念頭に、今からでもしっかりと調査し対応していただきたいと考える。」
次回、同部会は8月31日に開催される予定です。