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厚労省 介護保険部会に政策顧問が出席 働く者の立場から厚労省素案に対し意見

2010年11月22日掲載

11月19 日、厚生労働省社会保障審議会の第36回介護保険部会が開催され、委員を務める河原四良政策顧問が出席しました。

今回は、同部会でのこれまでの議論の集大成として、厚生労働省側が「介護保険制度の見直しに関する意見」の素案を提出しました。素案には、制度見直しに向けての基本的考え方はじめ、重度の要介護者等にも対応する地域包括ケアシステムの構築や、介護職員の処遇改善と人材確保策、給付と負担の見直し、保険者(市町村)の役割、低所得者への配慮などの内容が盛り込まれています。

この素案に対する意見として、河原政策顧問は、NCCUの提言内容 を踏まえ、働く者の立場から次のような発言を行いました。

まず、素案の中に『平成23年度末で終了する介護職員処遇改善交付金は、本来的には、継続ではなく、介護報酬改定により対応する方向で検討すべきである』と記述されていることついて、「私どもが主張している内容であり、ぜひこの方向で最終まとめをお願いしたい。ただし、介護職員の処遇改善にあたって『さらに検討が必要である』等とあるが、どのような機関・メンバーが議論していくのか、引き続きの議論の場を担保するなど、働く側が安心感を持てるような記載を望む」と求めました。

また、NCCUの提言としても訴えてきた「悪らつ事業者の排除」は、今回の素案に『雇用管理』の問題として盛り込まれており、これについて河原政策顧問は、「労働法規をよく知らない事業者もおり、働く者の離職にもつながっている。24時間地域巡回型訪問サービスが導入されると、労働法規上の問題はさらに増えるだろう。労働行政とタッグを組んで指導していただく一方、労働法規自体にも多様な働き方になじまない内容があると思われるので、十分に検討していただきたい」と意見し、雇用管理と法令遵守のための一層の取り組みを求めました。

保険者(市町村)の役割については、河原政策顧問がこれまで求めてきた利用者・家族のマナー啓発への配慮も求め、「例えば、介護保険事業計画に関する記述の中に、“地域全体で介護を支える観点から、介護保険事業計画および介護保険制度の理念とルールの周知を徹底する”といった加筆はできないか。検討を願いたい」と述べました。

さらに、河原政策顧問をはじめとして他委員からも指摘されていたシンプルな制度への転換については、次のように発言しました。
「制度改正や報酬改定の度に仕組みが複雑になり、利用者や家族ばかりでなく、介護従事者でも理解しにくくなっている。これは、サービスの質の後退や、サービス利用の公平さを欠くことにつながるのではないかと危惧する。この意見書のいずれかの項目に、“分かりやすく利用しやすい制度の定着を図っていく”といった表現の文章を加筆するべきではないかと思う」。

厚労省が示した素案については他委員からもさまざまな意見が出ており、同部会では、それらを踏まえ、次回11月25日の会合で取りまとめを行う予定です。

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次期制度改正に向けた議論が大詰めを迎えています

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