7月30日、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会が開催され、委員を務める河原四良会長が出席しました。
この日は厚労省側から「ユニット型個室と多床室」「施設における医療サービスのあり方」「低所得者の施設利用に対する介護保険からの補足給付について」などの論点が挙げられました。
特別養護老人ホームなどの居室のあり方については、ユニット型個室推進の必要性が指摘される一方、多床室の新設を認めるかどうかで意見交換が行われ、河原会長は「多床室の話が盛り上がれば、10年を迎えた介護保険制度の議論としては後退だ」と述べました。
さらに、河原会長は「NCCUや他団体の提言にもあるように、行き届いたサービスのためには、介護保険施設の人員配置基準は3対1ではなく2対1が望ましい。現状の3対1の基準が介護従事者の過重労働につながっている」と発言したほか、グループホーム入所者への家賃補助について、「経済的ゆとりのある人しかグループホームを利用できないことについて、現場で働く人たちはやるせない思いをしている。補足給付のあり方については、グループホームや高齢者専用賃貸住宅についても国が補助することを今度の制度改正の目玉にしたらどうか」と述べました。
また、「居住系施設サービスの利用率が大都市部で低いのはどうしてか」という河原会長の質問に対し、厚労省担当者から「大都市部は地価が高いことなどから施設整備が進まず、また働き手が足りないことから、十分な施設運用ができない」との回答がありました。これは、介護保険制度を働き手が支えていることを再認識できる発言といえます。
次回の介護保険部会は、8月23日の予定です。
介護保険部会では、次期制度改正に向けての議論が進んでいます