12月22日(月)と25日(木)に第132回、第133回の「社会保障審議会介護保険部会」が開催(ともに虎ノ門グローバルスクエア・東京都 港区)され、染川会長が出席しました。
引き続き、「とりまとめに向けた議論」を議題とし、約1年間に渡り検討されてきた各論点について、これまでに示された意見をもとに議論が行われました。
●所得の判断基準見直しはもっと丁寧に検討・議論を進めるべき
第132回の介護保険部会では、介護保険サービス利用時に2割の自己負担を求める対象者の範囲の拡大に伴う判断基準について、具体的な内容が示されませんでしたが、染川会長は改めて反対の意見を主張しました。
「高齢者の暮らしにかかわる費用は、住居形態や地域特性等にも影響されるなど様々であり、貯蓄額についてもバラつきがある。決して概ねの平均や傾向等をもとに負担能力を判断できるものではなく、示された資料をもとに推測すれば、介護が必要になると家計は継続的に赤字となり、貯蓄を取り崩さざるを得ない。現役世代が親を経済的に支援する負担が増える恐れもある。したがって、所得の判断基準見直しについてはもっと丁寧に検討・議論を進めるべき」と主張しました。
第133回の介護保険部会で、『一定以上所得』の判断基準について、2023年12 月22日の厚生労働大臣・財務大臣折衝での“第10期介護保険事業計画期間の開始(2027 年度から)の前までに結論を得る”とされたことが報告され、事実上の見送りとする案が示されました。
これを受け、染川会長はこれまで貫いてきた「本内容は丁寧かつ慎重に検討するべきであり、現在示されているエビデンスをもって判断することは出来ない」との立場から支持しました。
●ケアマネ新類型創設には断固反対
第132回では、住宅型有料老人ホームの入居者に特化した“新たな相談支援のサービス類型”を創設する方針が示されたことについて、染川会長は改めて反対の立場を表明。
「ケアプラン作成に加えて、新たな相談支援を担う新類型を作ることは、ケアマネ不足が深刻化している中で、ケアマネジャーにとって重い業務負担となる」と述べました。
とりまとめの内容については、後日厚生労働省のHPにて掲載される予定です。
また、2割の自己負担を求める対象者範囲の拡大については引き続き議論されます。
そのほかの取りまとめられた内容は、厚生労働大臣に答申され、来月からはじまる通常国会で審議される見通しです。
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今回の資料は第132回社会保障審議会介護保険部会・第133回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省に掲載されています。