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とりくみ Labor policy / Political action

「人材不足の実態を把握し危機感を持って事態解消を」第119回介護保険部会 染川会長発言

2025年4月22日掲載

4月21日(月)、「第119回社会保障審議会介護保険部会」が日比谷国際ビルコンファレンススクエア(東京都 千代田区)で開催され、染川会長がWEBで出席しました。

●2025年の状況を把握せずして2040年に行うべき施策は見出せない
この日の議題として挙げられた「『2040年に向けたサービス提供体制のあり方検討会』中間とりまとめ」の論点のうち、「地域包括ケアシステム」について染川会長は次のように発言しました。
「地域包括ケアシステム構築の節目としてきた2025年現在の状況を評価・検証していくことが必要であり、2040年に向けての在り方を検討するうえでも欠かせない。厚生労働省では介護老人福祉施設の入所待機者については把握しているが、いまだに全国的には25万人を超える方々が希望しても入所できていない状態である。また、在宅サービスについては基本報酬の引き下げにより事業者の倒産が増加しているほか、訪問介護員の不足により必要なサービスを提供出来ないケースが増えているにもかかわらず、その実態を正確に把握できていない。現状を正確に把握せずして重点的に行うべき施策を見出すことは困難である」。

●NCCU調査の中間結果を報告「国も現場の実態を把握し、事態解消に取り組むべき」
また、染川会長はNCCUが行った『緊急アンケート』の中間結果を報告。
この『緊急アンケート』は、訪問介護に関するサービス需給の実態と、人材不足がおよぼしている影響を調査するため、組合員の居宅介護支援事業所のケアマネジャーと訪問介護事業所の管理者を対象に実施しているものです。(調査期間は4月14日から4月21日)
染川会長は4月16日までに取りまとめた結果から、次のように述べました。
「ケアマネジャー386人、訪問介護事業所の管理者488人、計874人から回答が寄せられている。その中で、ケアマネジャーからは、昨年の報酬改定以降で『訪問介護事業所の人手不足により、必要とされるケアプランが組めないことがあった』とする回答が66.8%だった。そしてケアプランが組めなかったことで『時間や曜日変更、回数を減らすことで対応しているが、対応が出来ずに家族に介護をしてもらっている』とするケースが42.6%、『何も対応が出来なかった』ケースが19.8%であった。
また、訪問介護事業所では『訪問介護員の不足によりサービス提供を断ったことがある』事業所が88.9%。そして、訪問介護事業所で『前年に比べて減収になった事業所』が54.1%。さらに減収の一番の要因を質問したところ、『訪問介護員の不足により依頼があっても受けることが出来なかったため』が最も多く72.7%となった」。
染川会長はこの中間結果を踏まえ、厚労省でも現場の実態をしっかりと把握することを求めたうえで、「必要なサービスを受けられない実態があることは、受益者もしくは受益者となりうる人が保険料を負担している介護保険制度の根幹を揺るがす事態であり、危機感をもって事態解消に向けて取り組んでいくべきだ。まずは国として地域包括ケアシステムの評価・検証をしていくべき」と要望しました。

今回、染川会長が中間結果を引用した訪問介護に関する『緊急アンケート』は、最終結果がまとまり次第ホームページで報告します。

同部会では引き続き議論が行われます。NCCUは今後も各種調査結果や組合員の皆さんの声をもとに発言を続けていきます。

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今回の資料は第119回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省に掲載されています。

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