12月6日(金)、NCCU政治顧問の森本真治参議院議員が参議院予算委員会の質疑に立ち、事前にNCCUと行った打ち合わせをもとに、介護業界の人材不足や賃金改善の状況などについて、石破茂総理大臣と福岡資麿厚生労働大臣に質問しました。
森本議員は、「介護保険制度が崩壊の危機を迎えていると言われている。今年の介護事業者の倒産件数が10月までで過去最悪を記録。特に訪問介護は、4月の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられた。これが介護崩壊の危機に拍車をかけている」と指摘。
さらに石破総理に対し、人材不足の状況について「訪問介護の有効求人倍率は、驚くべきことに令和元年から15倍となっている。これはもう有事ではないか」と質すと、石破総理は「尋常ならざる事態である」との認識を示しました。
これを受けて、森本議員はさらに「介護保険計画では2026年度に必要な介護職員の数は260万人。いまの215万人から毎年6万人ずつ増やさなければならないところ、直近では6,000人しか増えていない」と指摘し、政府としてどのように人材確保をするのか質問しました。
これに対し福岡厚労大臣は、「高齢化によりニーズは高まるが、その中で担い手を確保することは課題である。まずは、今回の補正予算による処遇改善の措置をさせていただく。一方で、ICT化で生産性・効率性を上げ、働く方々の負担を減らすといった総合的な取り組みによって、人材確保に努めたい」と答弁しました。
さらに森本議員は他産業と介護業界の賃上げ結果の差に触れ、「介護業界の賃上げ率は2.5%となっているが、5割近くの事業所が賃上げできていない状況にある。他産業との格差はますます広がっていくので、介護報酬の期中改定も含めた緊急的な対応をしていただきたい」と強く訴えました。
石破総理は、「全産業との差が縮まらない以上、人が来ないという事実を動かし難い。厚労省もどうやって介護人材不足を解消しようか最大の関心を持って取り組んでいるので、さらに検討を加速させる」と回答しました。
森本議員は「われわれは介護崩壊を防ぐために処遇改善法案をまとめている。この法案には介護従事者の賃金を全産業平均の水準にするために必要な措置を講ずることを盛り込んでいる。介護従事者の賃金を底上げしていくことは政治全体の責任だ」と述べ、「他産業との格差を埋めるためにも、介護崩壊を防ぐ対策本部を立ち上げ、優先的に取り組んでいただきたい」と石破総理に強く求めました。