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とりくみ Labor policy / Political action

「利用料2割負担の対象範囲拡大は困難」介護保険部会にて発言

2023年11月7日掲載

11月6日(月)、第108回社会保障審議会介護保険部会が開催され、「給付と負担」についての議論が再開されました。
部会に出席した染川朗会長は、以下のとおり意見を述べました。

【議題】
給付と負担について

◆利用者負担割合の見直しについて
「昨年10月以降、後期高齢者医療制度で一定以上の所得がある方の窓口負担割合を1割から2割に引き上げたばかりであり、3年間の時限付きで急激な負担増を抑制する配慮措置があるとはいえ、医療に対する高齢者の負担は確実に増加していく。さらに、消費者物価指数は急激に上昇しており、生活に必要な支出も確実に増える。
介護保険の利用者負担について『一定以上の所得』の判断基準を見直すにあたっては、こういった高齢者の暮らしを取り巻く環境を総合的に勘案することに加え、介護保険を利用されている方が必要とする衛生用品や、介護保険給付の対象とならない利用料、インフォーマルサービスにかかる支出なども発生することを前提として判断をするべき。
これらを勘案すると、高額介護サービス費や高額医療合算介護サービス費などのセーフティーネットの活用を前提としたとしても、判断基準を引き下げる方向で見直すことは困難である。また、中長期的な課題として、負担能力として資産についても勘案していく必要があると考える」。

◆1号被保険者保険料負担について
「1号被保険者の所得水準に応じた保険料設定を更に多段階化していくことについては、すでに標準の9段階を超えて多段階化を行っている自治体が過半数である現状も踏まえると、必要な措置である。引き上げの水準を判断するにあたっては、負担増となる高齢者への影響を十分に考慮したうえで慎重に判断していただきたい」。

◆最後に
「介護に関わる審議会では、財源面での持続可能性を確保するために、給付と負担の問題をはじめ大変厳しい内容の検討を進めている。その一方で、国は、税収の上振れ分を還元する政策を検討されている。
そのような状況ならば、財源確保はもとより、現役世代の負担軽減、保険料上昇の抑制の観点からも、介護保険制度の財源について公費負担の割合を見直し、特に国の負担割合を増やすことなども検討するべき」。

 ◎  ◎  ◎  ◎
「給付と負担」のあり方については、昨年末までに結論を出す予定だったものが、いったん今年夏まで先送りされ、さらにその結論は年末まで持ち越されることになりました。NCCUからは引き続き染川会長が委員として出席し、議論に参加していきます。

今回の資料は第108回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省 (mhlw.go.jp)に掲載されています

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