11月24日(月)9:30~12:00「第102回社会保障審議会介護保険部会」がWeb会議で開催され、染川朗会長が出席しました。
今回は、前回に引き続き「地域包括ケアシステムの更なる深化・推進について」の議論がなされました。
また、「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」の取りまとめについて報告がありました。
■地域包括支援センターの体制整備
染川会長は、「主任介護支援専門員の不足は、地域包括支援センターに限られたことではない」と発言。現在、主任介護支援専門員は居宅介護支援事業所においても同様に不足している実態を踏まえ、「主任介護支援専門員でなければならないとする管理者要件を満たすために近隣の事業所と統廃合をするなどし、何とか利用者への影響を抑えている。このような実態を改善する為には、経験豊富な介護職員が介護支援専門員および主任介護支援専門員を目指すことを動機づける取り組みが必要である」と述べました。
■ケアマネジメントの質の向上
介護支援専門員法定研修カリキュラムについては、「幅広い視点で生活全般を捉え、生活の将来予測や各職種の視点や知見に基づいた根拠のある支援の組み立てを行うことが介護支援専門員に求められていることを踏まえ、高齢者の生活課題の要因等を踏まえた支援の実施に必要な知識や実践上の留意点を継続的に学ぶことができるように、適切なケアマネジメント手法の考え方を科目類型として追加するべき」という見直しポイントが示されています。
これについて染川会長は、「これらの取り組みや、ケアプラン作成時にLIFEにより収集・蓄積したデータをフィードバック情報として利活用すること等も早期に具体化、実行することで、介護支援専門員の専門性をさらに高め、介護支援専門員という職種を介護業界において中心的役割を担う高度な専門職として確立させることが、介護支援専門員を目指す人材の増加にもつながる」と発言。
さらに、ケアマネジメントの質の向上は介護保険サービスの質の向上にも資することから、「これらの取り組みが、職務上の新たな負担とならないよう配慮しつつ、法定研修を含めた各種の研修に対する経済的な負担軽減などの支援の拡充を目指すべき」と意見しました。
■「介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」の報告について
染川会長は、「NCCU組合員を対象とした文書負担軽減の調査では、『介護保険制度上必要な文書の負担が軽減された』との回答が27.6%にとどまっており、理由として『日常的に多頻度で使用する文書の負担軽減が進んでいないこと』が挙げられる。このような結果から、処遇改善加算や事故報告、ケアプランや日常的な介護記録も含め簡素化、標準化、ICT化という3つの視点での検討を進めていただきたい」と発言。
さらに、「介護報酬請求事務負担軽減、そして誰もが分かり易い介護保険制度にするためにも、加算取得率の高いものについては基本報酬に組み込み標準化を図ることも検討していただきたい」と求めました。
今回の資料は第102回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省 (mhlw.go.jp)に掲載されています。
なお、2024年の介護保険制度改正に向けた議論は大詰めを迎えており、介護保険部会では年内に意見のとりまとめを行う予定です。