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とりくみ Labor policy / Political action

厚労省 たん吸引等検討会で政策顧問が発言 講師の質について言及 

2011年2月22日掲載

2月21日、厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」の第7回会合が開かれ、委員を務める河原四良政策顧問が出席しました。

この日は、厚生労働省から、「介護職員によるたんの吸引等の施行事業」の概要と実施状況について中間報告(案)が示されました。
このうち、高齢者を含む不特定多数への医行為を前提とした施行事業では、まず昨年10月に講師(医師・看護師)と指導看護師の指導者講習が行われ、その後11月から、介護職員(7団体・141人)に対する「基本研修」が行われました。基本研修の内容は、講義(50時間)と演習(たんの吸引は口腔・鼻腔・気管カニューレ内部を各5回以上。経管栄養は胃ろう又は腸ろう・経鼻経管栄養を各5回以上。さらに救急蘇生法1回以上)で、演習に関しては、やむを得ない場合は模擬患者でも可能とされました。

今回示された中間報告(案)は、この基本研修終了後に実施した、参加者への意識調査をもとにしたもので、講義の理解度や講義時間の適切性、介護職員からみた指導者の講義の評価などについてのデータが示されました。 例えば『講義は介護職員が理解できる内容か』『テキストは介護職員が分かりやすい内容か』といった項目では、介護職員自身は“理解できた”“わかりやすい”との回答が多かったのに対し、指導者はその割合が低かったことが明らかになりました。

このような結果を受け、河原政策顧問は次のように発言しました。
「専門家である指導者が“理解しにくい、分かりにくいのではないか”と心配しているにも関わらず、受講生自身は“心配に及ばず”と言っているかのようなデータと受け取れる。これは、講師のレクチャー技術が高かったのか、受講生の理解能力が高かったのか、あるいは“理解した・分かりやすい”との定義に温度差があったのか、いずれかではないだろうか。『介護職員からみた指導者の講義の評価』については“分かりやすかった”と回答している受講生が圧倒的に多いところを見ると、講師のレクチャー技術が高かったのだろう。つまり今後、たん吸引等の基本研修を進めるにあたっては、講師となる方々のレクチャー技術が非常に重要になると思われる。受講する側の立場としては、講師の質にこれからも期待したい」

また、ケアごとに規定されている演習の所定回数(例:口腔内のたん吸引は演習5回以上)について、介護職員の6割以上が“適切”と認識している一方、“少ない”と感じている介護職員も一定数いることについて、河原政策顧問は、「この認識の差は、介護職員の所属組織ごとに特徴があるのか。事務局で把握しているのであれば教えてほしい」と求めました。同様の意見は他委員からもあり、これに対し、厚労省側は、「分析はしていないが、今後細かく集計して示したい」と回答しました。
さらに河原政策顧問は、「基本研修の中でのヒヤリ・ハット報告があれば、数値によるデータ以上に、何が課題であるか明らかにすることができると思う」と提案しました。

施行事業は、今年1月から「実地研修」の段階に進んでおり、対象施設・在宅事業所等において指導看護師が介護職員1~3人程度を指導する形で行われています。
実地研修の終了後、厚労省は再度評価を行って同検討会に報告することになっています。

イメージ

介護職員によるたん吸引等の「施行事業」の中間報告が行われました

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