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「経営の健全化」と「人材確保」を最重点に対策を 第123回介護保険部会 染川会長発言

2025年07月29日掲載

7月28日(月)、「第123回社会保障審議会介護保険部会」が虎ノ門グローバルスクエア(東京都 港区)で開催され、NCCU染川朗会長がWEBで出席しました。

今回は、厚生労働省の審議会「2040 年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会」のとりまとめ(報告)が議題として示され、染川会長は次のように意見を述べました。

●「地域包括ケアシステム」は構築できたと言えるのか
2025年を目途に構築を目指してきた「地域包括ケアシステム」は、在宅で重度者を支えることが可能となる定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能や夜間対応型訪問介護などのサービス種別を選択し利用することができない地域が多い。さらに、特養の待機者数は減少したものの、依然として希望をしても入所することができない状態は解消されておらず、これでは地域包括ケアシステムが構築できたとは言いがたい。

●事業者の「健全な経営」と処遇改善による「人材確保」を強く求める
このような中で、サービス提供体制を確保していくためには「健全な経営」と「人材の確保」がもっとも重要と認識するが、介護事業者の倒産件数は過去最高を更新し、特に高齢者住宅等に併設していない、地域に根付いてサービス提供をしている訪問介護事業所は、昨年の基本報酬引き下げにより窮地に追いやられている。
また、介護職員等処遇改善加算が介護職員としてのインセンティブどころか、一部においては法定最低賃金の引き上げに対応するために充てざるを得ないような経営状態となっている。さらに、人材不足による倒産や事業所の廃止・休止も増加しており、人材確保についても、他産業との賃金格差は、拡大の一途を辿っていることで新規の人材確保は困難なうえ、他産業への人材流出も加速。いまや介護専門職の養成校も外国人が多数を占め、日本の若者は少ないのが現状である。

●介護保険サービス受けらない深刻な事態 危機感を持って対応を
検討会でとりまとめられた様々な視点と、対策案を具体化して進めつつ、「経営の健全化」、それを通した処遇の改善による「人材確保」に最も重きを置いて効果のある対策を講じていかなくてはならない。そうでなければ、介護保険料を納めていても介護保険サービスを受けられないという深刻な事態がますます広がる。危機感をもって対応していただきたい。

同部会では、引き続き議論が行われます。NCCUは、各種調査結果や組合員の皆さんの声をもとに発言を続けていきます。

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今回の資料は第123回社会保障審議会介護保険部会|厚生労働省に掲載されています。

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