5月18日(土)、連合が主催する『医療・介護フェス2024~安心と信頼の医療と介護 中央集会~』が東京・千代田区の日本教育会館で開催されました。今回は5年ぶりとなる集合形式での開催となり、連合傘下の労組から医療・介護現場で働く組合員など254名が参集し、Web視聴139名を含め393名が参加しました。
開会にあたり、芳野友子連合会長は次のように挨拶しました。
「最近は、人手不足が様々な地域・企業で叫ばれていますが、医療・介護現場は、特に深刻な状況であると受け止めています。
こうした状況を踏まえ、2024年度診療報酬・介護報酬改定では、賃上げに重点を置いた改定が行われ、報道でも多く取り上げられています。
しかし、現場で働く皆様の実感はどうでしょうか。皆さんが実感できなければ、人材不足の解消につながりません。連合は、報酬改定を医療と介護の現場で働く全ての仲間の賃上げにつなげるとともに、働き方改革や健全な労使環境の構築により、安心して働き続けられることができる環境を作るため、今後も皆様とともに取り組んでまいります」
芳野友子連合会長
続いて、『医療・介護の労働組合に何ができるのか~処遇改善と人材確保に着目して~』をテーマに前浦穂高氏(労働政策研究・研修機構副主任研究員)が講演を行いました。
その後トークセッションが行われ、『医療と介護の現場にさらなる処遇改善を!』をテーマに連合傘下の組合から4名が報告しました。
NCCUから参加した大滝雄一さんは、NCCUの賃上げ交渉の状況について「現在、通常の賃上げと、2月から5月に交付される『介護職員処遇改善支援補助金』の配分方法を中心に交渉が進んでいます。さらに6月からの処遇改善加算の一本化によるプラス分も加えて最終的な賃上げの結果としてまとめます」と報告。
さらに、昨年の連合平均の賃上げ率が3.58%、今年は5%台で推移していることから、介護業界と他産業との格差が懸念される点を踏まえ、「厚生労働省が目標値としている2.5%の賃上げを達成できたとしても、他産業のとの賃上げ格差は、昨年と合わせて5%程度あるので、国による更なる処遇改善策が必要です」と意見しました。
また、2024年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに対してのNCCUの取り組みについても報告を行いました。
報告するNCCU大滝雄一さん
トークセッションののち、医療・介護現場の処遇改善と人材確保を求めるアピール文が採択され、『医療・介護フェス2024』は閉会しました。