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労使の会──NCCUと46法人が『介護現場におけるテクノロジー導入・活用に関する集団協定』を締結

2023年07月04日掲載

この度日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、労使関係のある法人との間で2015年に発足した「介護業界の労働環境向上を進める労使の会(以下 労使の会)」の取り組みにより、46法人と『介護現場におけるテクノロジー導入に関する集団協定』を締結しました。
「労使の会」は、介護業界の労働環境向上に向けた課題について労使で協同責任を負い、取り組み内容を集団協定化することを基本的な目的としています。今回の集団協定は、2016年の『ハラスメント防止に関する集団協定』、2017年の『ご利用者虐待防止に関する集団協定』、2019年の『ご利用者・ご家族からのハラスメント防止に関する集団協定』に続く締結となります。

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近年、厚労省の施策等によって、介護ロボットやICTの導入支援が加速しています。しかし、NCCUの2022年度就業意識調査の結果では、「テクノロジー導入=人員削減」とのイメージが強く、「人員削減で安全性が確保できなくなる。サービスの質が低下する」と懸念する組合員が少なくないことがわかりました。
そこで「労使の会」は、『介護現場におけるテクノロジー導入に関する集団協定』を締結することとし、テクノロジー導入の第一の目的は「介護従事者の負担軽減と処遇改善、サービスの質の向上」であることを明記。さらに、導入研修の実施やサービスの質の担保、導入後の課題対策などについても定めました。

6月30日、「労使の会」は、この集団協定締結についての記者報告会を開催。労使の会の幹事会から、NCCUの染川朗会長、村上久美子副会長、島卓事務局長、 (株)ケア21の依田平代表取締役会長、麻生介護サービス(株)の栁倫明代表取締役社長が登壇しました。
冒頭、村上副会長が集団協定に至った経緯を報告。「テクノロジーの導入は人員を削減するものではなく、テクノロジーの導入によって介護従事者の負担軽減および処遇改善、そして業務の効率化がサービスの質の向上につながると考えている。また介護業界のイメージ向上、ひいては人材確保を目指すための手段でもある。この取り組みを、労使共通の価値観として共有を図ることを推進していきたい。NCCUとしては、組合員の不安を払拭するために、今回の集団協定の締結は重要なことだと考えている」と説明しました。
続いて、労使の会代表幹事の(株)ケア21依田会長が経営側の立場から次のように挨拶されました。 「経営側と労働組合が一体化して問題解決にあたることが介護業界を良くする、という認識を持っている。今回の協定は、働く方々の待遇改善や負担軽減、質の高いサービス提供を通じてご利用者に満足していただくという経営側の決意の表れとして締結した。現時点では46法人だか、さらに多くの法人に加わっていただくことで、日本の介護は飛躍的に良くなると考えている」。
同じく労使の会代表幹事のNCCU染川会長は、「このように経営側と組合側が横に並んで座る報告会はとても珍しいと思う」と前置きし、次のように挨拶しました。
「普段は賃上げ交渉などで向かい合っている立場だが、労働環境を良くしたいという思いは共通のもの。今回の集団協定締結に至るまでにも、労使そろって実際の機器を見に行き、組合員の不安の声にも配慮して、さまざまな課題を一つひとつ解決してここに至った。今後は実行性をもたせるために労使でタッグを組んで取り組んでいきたい」。
さらに、労使の会副代表幹事の麻生介護サービス(株)栁社長は、「職員の労働環境が良くならなければ仕事にならない状況に来ており、最終的には利用者が困る事態になる。この集団協定は、テクノロジーの導入によって業務を効率化し、安全性もしっかり高めていくことにより、あくまでも労働環境を良くしていくことを目的としている。そのために、労使であらためて取り組んでいきたい。また、これが全国の法人にも広がっていくよう望んでいる」と挨拶されました。

記者報告会に参加した報道関係者からは、労使それぞれに対する質問が相次ぎました。
今後NCCUは、染川会長の言葉にもある通り、協定内容に実行性をもたせる取り組みを進め、組合員が安心して働き続けられるよう介護業界の労働環境の向上を目指します。

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■本件に関するお問い合わせ
『介護業界の労働環境向上を進める労使の会(略称:労使の会)』事務局(日本介護クラフトユニオン内)
電話:03-5730-9381(平日9:00~17:00)

『介護現場におけるテクノロジー導入・活用に関する集団協定書』.pdf 締結法人一覧(2023.06.30時点).pdf
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