2月9日(火)、市民団代「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」が主催する院内集会が衆議院第一会館で開催され、村上久美子副会長がゲストスピーカーとして出席。
「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」は、介護に従事する方々が集まって運営する市民団体であり、NCCUはこれまでも様々な場面で連携を図ってきました。
今回の院内集会は「どうなっているの?介護保険」と題して介護保険の20年を保険者・介護従事者・家族介護者等それぞれの立場で振り返り今後の課題を報告しました。
村上副会長は、介護従事者の立場として『介護現場から見た介護保険制度の変化』ついて報告しました。
中でも、報酬体系の変化については「2000年の介護保険創設時の介護給付費等単位数サービスコード(以下、サービスコード)は1,745余りだったが、現在は240,905余り。20年前の14倍となっている。特に居宅介護支援は25倍に増えている。ご利用者に、何のための加算であるか説明しづらく、その為に加算を取得しない事業者もある。また、今改定では報酬体系の簡素化を進めるために、算定率の低いものや要件の見直しなどが精査されたが、一方では新設加算が廃止した加算・減算の数を上回り、状況は改善されいない」と年々複雑化する報酬体系について課題を指摘しました。
また、介護人材の確保・革新について次のように述べました。
「今改定では、介護保険施設等において、テクノロジーの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担の軽減の推進が図られた。テクノロジーの導入・活用については強力に推進すべきと考えている。一方で主に夜間の人員配置基準の緩和を図る改定も行われた。このことについて介護現場からは、「現在の見守りセンサーは負担を軽減することはできるが、スタッフの代わりに介護業務を行ってくれる人的ロボットではない」「夜間は人間が寝ている時間であり、立って行動することはないとの前提があるとすれば、大きな間違いである」とテクノロジーだけではカバーできない部分について不安の声が上がっている。今後、労働負荷の増大やサービスの質の低下とならないよう検証し、必要であれば改善の実施が望まれる」
最後に、村上副会長は「介護人材の確保・定着のためのもっとも有効な処方箋は処遇改善であると考えている。今回の報酬改定では人材確保に直結するものがなかった。全体で0.7%のプラス改定ではあるものの、内容に満足するものではない」と2021年介護報酬改定についての所見を述べました。