8月2日、内閣府の「実践キャリア・アップ戦略 介護プロフェッショナル ワーキング・グループ(WG)」の第9回会合が開催され、委員を務める河原四良政策顧問が出席しました。
今回は、6月11日に開催された「行政事業レビュー 公開プロセス」の結果を踏まえた今後の対応の方向性が議論されました。
行政事業レビューでは、実践キャリア・アップ戦略について、「既存資格との関係の明確化などを行う必要があるとの意見があり、抜本的に再検討を行う」との結果が出されました。これを受け、この日の同WGではこれまでの議論の内容を整理・再検討し、今秋の制度開始に反映することとなりました。
河原政策顧問はまず、「行政事業レビューが示した結果については、このWGで真剣な議論を重ねてきたにも関わらず、それをご存じない部外者から物言いをつけられた感があり、WGの一員として非常に不愉快」と意見を述べた後、事務局が示した整理案などに対し、複数の発言を行いました。
キャリア段位制度は、介護職の知識と実践スキルの両面をレベル1から7で評価します。ただし現状ではレベル4までの設定であり、それ以上のレベル5から7の評価基準は設定されていません。
この点について河原政策顧問は、「レベル5以上の評価基準はいつ頃明確になる見込みなのか。意欲ある介護職にとっては気になると思う」と質問。事務局は、「厚労省で『認定介護福祉士(仮称)』の議論が進んでいるので、それを踏まえて評価基準を構築することになる」と回答しました。
さらに今回、事業者への助成金等を含む『キャリア段位制度の普及促進策(案)』も示されました。それによると、例えば、介護職員に代わって事業者が必要経費を負担したり、自社の評価・処遇にキャリア段位制度を導入した場合などが、助成金の支給対象となるとしています。
河原政策顧問は、普及促進策について、「サービスの質の向上という点からも、レベル4の雇用者数を『介護報酬』で評価することも、厚労省に働きかけるべきだ」と求めました。
同WGで議論を続けてきた『介護プロフェッショナル キャリア段位制度』は、実施事業機関の公募・決定を経て、今秋10月からスタートする予定で、内閣府は、制度創設後3年で2万人程度、その後は毎年2万人程度、2020年には計13万人程度のキャリア段位認定者の育成を目指しています。
介護職の『わかる(知識)』『できる(実践スキル)』を評価する新たな仕組みによって、介護分野で働く人材の増加が期待されます。
同WGの議論は今後も続く予定です。
●内閣府「実践キャリア・アップ戦略」のページ内で『介護プロフェッショナルのキャリア段位制度』についてのPDFが閲覧できます。
<<内閣府「実践キャリア・アップ戦略」>>
上記ページにアクセスし、「実践キャリア・アップ戦略 分野別パンフレット」→ 介護プロフェッショナルワーキング・グループの後のPDF<1><2><3>をご覧下さい。
同WGで議論を続けてきた『介護プロフェッショナル キャリア段位制度』は今秋10月から始まります