10月7日、社会保障審議会の第34回介護保険部会が開催され、委員を務める河原四良会長が出席しました。
この日の会合では、厚労省側が、前回までに示された論点と委員から上がった意見を整理して提示し、その内容をもとに意見交換が行われました。
河原会長は、介護人材の確保と処遇の改善策の中に『介護人材の質を上げるべき』との記述があることについて、「このような表現は避けていただきたい。この文章を読む私たちの仲間は、立腹もしくは悲しむだろう。人格まで否定されているようで受け入れがたい。修正をされたい」と発言しました。
また、保険者の果たすべき役割については、9月17日の会合で「利用者やご家族のマナーに関して、自治体でも啓発活動をすべきではないか」と発言したことに触れ、「私は働く者の立場から、今まで誰も触れなかったテーマについて発言した。現場ではセクハラ・パワハラによって離職する者もいる。利用者第一の自治体の姿勢は理解するが、介護保険事業計画の作成にあたっては“制度の正しい理解とルールのための啓発活動が必要”くらいの一文が欲しい」と意見しました。
さらに、要介護認定やケアマネのあり方などについては、8月30日の同部会での発言を踏まえて次のように述べました。
「要介護度区分の簡略化を求める理由は、“本来、ケアプランは要介護度区分に縛られて立てるべきではない”という本質論の視点だった。この視点に基づいて、将来的には撤廃を睨みつつ、しかし財政の問題等もあり、また7区分は複雑だとの現場の意見もあるので、現実的にはくくりをシンプルにした3区分が妥当だと意見した」
「ケアマネについては、独立の方向性を支援する仕組みが不十分との記述があるが、私は独立性促進の観点から、“収入の水準確保も大切だが、収入の安定に向けた対策がより大切”といった発言をした。その意図を含む内容として記録していただきたい」
次期介護保険制度改正に向けて意見交換を行ってきた同部会は、今期はあと2回開催されることになっており、この日の議論を含め、11月をめどに意見のとりまとめが行われる予定です。
次期制度改正に向け、同部会は意見のとりまとめ段階に入っています