7月26日、社会保障審議会の介護保険部会が第27回の会合を開催し、委員を務める河原四良会長が出席しました。この日は、厚生労働省から、次期制度改正に向けた検討事項の論点が示されました。
提示された主な論点は、「施設・住まいにおける給付のあり方」をはじめ、財源のあり方も含む「給付と負担のあり方」、「保険者の果たすべき役割」、そして「介護人材の確保と処遇の改善策」などです。
介護人材に関わる議論については、河原会長が委員を務めている『今後の介護人材養成の在り方に関する検討会』『介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会』での検討状況も、同部会に報告されることになっています。
以上のような論点の提示を受け、河原会長は介護最前線で働く側からの意見として、シンプルな制度・働く者の息づかいが聞こえる制度への転換を求めて次のように発言しました。
「介護保険制度が複雑になり、高齢の利用者・家族に極めてわかりにくくなっていることは、現場の人たちからも聞いている。認定区分の簡素化、サービス区分の一本化、給付を複雑にしている加算方式の見直しなど、少なくとも利用者や家族にとってわかりやすく使いやすい制度への転換を目指すべきだと思う」
「持続可能な制度を目指すための議論には、制度を中心で支えている介護労働者のことを絶対に忘れてはいけない。働く人が定着せず、人材が育たない現場では、介護労働者の側から制度が崩壊してしまう。この部会の議論では、働く人を意識した制度への切り替えもぜひ議論の底辺に含んでいただきたい」
なお今回は、検討事項と共に今後のスケジュールも示され、11月までに9回の会合を開いた上で介護保険部会としての意見をとりまとめることが確認されました。
次回は、給付のあり方を主なテーマとして、7月30日に開催される予定です。
2012年の制度改正に向け、本格的な議論が始まりました