「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」が初会合
厚生労働省が立ち上げた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」の委員に就任した河原四良会長は、7月5日に開催された初会合に出席しました。
同検討会への委員就任により、河原会長は介護保険制度に関連する厚生労働省管轄の3つの会議体で発言することになりました。
これまで、医師や看護師のほかは、研修を受けた特別養護老人ホームの介護職員等が口腔内のたん吸引など一定の行為を行うことが認められてきました。しかし特養以外でもたん吸引等の医療行為が欠かせない要介護者が少なくないことから、在宅のホームヘルパーやグループホーム・有料老人ホームなどで働く介護職員もそれらの行為を実施できるよう、法制度や研修のあり方などが検討されます。
5日の初会合では、委員それぞれの立場から介護職員を取り巻く医療的ケアについて発言があり、本格的な議論がスタートしました。
河原会長は「“介護職員でも実施可能な医療行為”という言葉自体が矛盾している。医療行為は法違反である、とまずは認識すべき」「しかし現場では、本人・家族から医療的行為を依頼されるケースもあり、介護職員もジレンマを抱えている」「介護の質、介護職員の職業的地位向上の観点から、医療知識の蓄積や“医療行為の枠から外す行為”を増やすべきと考える。もちろん、必要な教育・研修や処遇上の評価は当然だ」と主張しました。
同検討会では8月をめどに中間報告をまとめるとのこと。さらに、モデル事業の実施・検証も踏まえ、来年の通常国会に法案が提出される予定です。
なお、初会合には長妻昭厚生労働大臣と山井和則厚生労働大臣政務官も出席し、「方向性が出れば、来年にも法改正を行いたい」との発言がありました。
左・会場風景。多くのマスコミも取材に訪れました、右・河原会長は、厚労省関連の会議体で3つの委員を務めます