日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、介護現場で働く組合員の処遇状況を調査し、今後の処遇改善への取り組みの政策資料として活用しています。その最新版となる「2022年賃金実態調査」の結果について、1月26日(木)NCCU本部にて、オンラインと会場を併用した記者報告会で公表しました。
職種別の「賃上げ状況(2021年7月と2022年の7月の賃金比較)」「年収」「一時金」をはじめ、「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」のほか、2022年2月から9月に実施された「介護職員処遇改善支援補助金」について、村上久美子副会長が詳細に報告しました。
『2022年賃金実態調査』概要
◆結果は本ページ下部の電子ブックPDFでご覧になれます◆
■調査期間:2022年8月17日~9月26日
■調査方法:配布5,467名(分会組合員5,000名、個人組合員467名)を対象に調査票を配布
■回答数 :3,277名(回答率59.9%)
記者報告会で染川朗会長は、次のように述べました。
「現在の物価高騰を踏まえると、物価上昇分を反映した介護報酬改定がなくては、日本全体で賃上げの機運が高まっている状況のなか、介護業界が置き去りにされるのではないかとの危機感がある。昨年2月から実施された『介護職員処遇改善支援補助金』には対象外の職種があるうえに、政府が見込んだ9,000円程度の賃上げでは、全産業平均との格差は是正されない。政府は労働移動をともなう構造的賃上げの実現を掲げているが、成長産業に位置付けられているはずの介護業界の賃金が低い状態のままという矛盾には疑問がある。2024年に介護報酬改定をひかえているが、それまでは待てない。さらに1年早く、2023年度予算で対応していかなければ、介護業界は働く側から崩壊していくだろう。今回の調査結果を通じて組合員がどのような環境で働いているのか、ぜひ世間の人たちに知ってもらいたい」。
NCCUは、今後も様々な調査活動を通じて介護従事者の実態を把握し、労働環境や処遇改善につながる政策立案に活用していきます。
【NCCU組合員の皆さまへ】
介護に関連する組合員にはお勤めの事業所に、個人組合員の方にはご自宅に『2022年賃金実態調査 速報版』をお送りしました。事業所に立ち寄ることが少ない組合員の方は、本ページ下の電子ブックでご覧ください。
【報道関係・研究機関などの皆さまへ】
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左:記者報告会は会場とオンラインを併用して開催しました
中央:染川朗会長 右:村上久美子副会長