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とりくみ Labor policy / Political action

第84回介護保険部会「制度の持続可能性の確保」について久保会長が発言

2019年10月29日掲載

10月28日(金)9:00~11:00「第84回社会保障審議会介護保険部会」がベルサール九段(東京都千代田区)にて開催され、久保会長が委員として出席しました。※資料はこちら

【議題】
1. 介護サービス基盤と高齢者向け住まい
2. 科学的介護の推進、介護関連DB等の更なる利活用等
3. 制度の持続可能性の確保
4. その他

久保会長は、働く者の立場から次のように述べました。

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■ケアプラン自己負担導入「事前に予測される課題を明確にした上で検討すべき」
ケアプランは介護保険制度の根幹として、またサービスの入り口として、介護が必要となった人が気兼ねなく相談ができるよう、原則として利用者の自己負担なしで行ってきましが、利用者負担の導入については、今が適切な時期か否かを冷静に見極める必要があります。
仮に自己負担が導入された場合、利用者にとって本当に必要な介護サービスを組み込むことができるのか、また利用者の言いなりになりかねないことも懸念されます。また、利用者負担が発生することによって、セルフケアプランが増えることも予測されます。セルフケアプランを作成するとなった場合、専門的な知識がない方がプランを作ることで様々な混乱を招くと思われ、自立に繋がるケアプランにならないことが懸念されます。
従って、予測される課題を解決する手段などを明確にした上で、ケアプランの自己負担化については検討すべきであると考えます。

■要介護1・2の生活援助等の地域支援事業の移行「担い手不足に不安」
要介護1・2の方は、重度者に比べ生活援助を利用する割合は多く、生活援助は身体介護よりも、利用者の生活習慣に合わせたサービスの提供が難しいといった声をよく聞きます。そして、日常生活のちょっとした変化の気づきが、重度化を防ぐということもあり軽度の利用者にとって生活援助は必要なサービスです。
現在、地域支援事業については、自治体がサービス単価を決めるので、介護保険での単価より低く設定している自治体が多く、既存の介護サービス事業者が事業を受けないということが起こっています。そうなると、利用者が満足できるサービスを受けることができるのか、介護難民が増えるのではないか、ということが心配です。
また、介護人材の不足を解消するために新たにできた『入門的研修』と『生活援助従事者研修』について、現在の実施状況はどうなっていて、またその検証はできているのか、など懸念しています。サービスの担い手が確保されない状況での軽度者の生活援助の見直しについては時期尚早である考えています。

■利用者自己負担「原則、応能負担にすべき」
利用者負担割合については、2015年の制度改正時に調査した、NCCU組合員アンケート結果では、「介護費用の増大等に対応するためには、負担能力に応じた見直しはやむを得ない」という意見が50.1%と最も多かったです。また、「2割負担の対象者は、所得だけでなく資産も勘案すべき」という意見も23.0%にのぼっています。また、一部の利用者からは「介護従事者の処遇改善するために自分たちがもっと負担してもいいのではないか」という声が聞こえています。
しかし、負担割合が増すことで介護サービスの利用控えが拡大し、急激な介護度の重度化や生活の質の低下に繋がる恐れもあります。また、家族介護の負担が増えて、結果的に介護離職者が増えることも懸念されます。従って、懸念されることが現実とならないよう措置を充分に講じた上で、利用者負担については、原則応能負担にすべきと考えています。

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