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とりくみ Labor policy / Political action

民主党・厚労部門会議に出席。政府による介護報酬引き下げ方針に対して発言

2014年12月25日掲載

12月24日に開催された民主党・厚生労働部門会議において、2015年度介護報酬改定に対して関係団体から意見を聴き取るためのヒアリングが行われ、NCCUも参加しました。

先日の参院選直後から\"2015年度介護報酬改定で介護報酬は引き下げの方針\"との報道が相次ぐなど、政府は介護報酬引き下げの方向性を打ち出しています。厚労省も、19日の社会保障審議会介護給付費分科会に介護報酬改定方針案を示しました。

そのような中、現場の意見を聴くために急遽行われた今回の民主党ヒアリングには、介護関係5団体が出席。NCCUも参加要請を受け、陶山浩三会長、久保芳信副会長、染川朗事務局長、村上久美子副事務局長が出席しました。

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政府が打ち出した「介護報酬引き下げ方針」に対する見解を求められた陶山会長は、次のように意見しました。
「介護報酬の引き下げには反対である。報酬引き下げとなれば、介護従事者の処遇改善は困難になるだろう。介護職員処遇改善加算を手厚くしたとしても、加算で手当てされていない賃金項目が削られ、その結果、介護の質の低下や過重労働、サービス残業等が発生し、離職者がさらに増えかねない。
また、介護報酬が下がれば、処遇改善加算の対象外職種の処遇がまっさきに低下すると考えられる。『介護職員』と『その他職員』の格差が拡大すれば、現場の崩壊を招く。厚労省は、『その他職員』の処遇を上げる手当ては一切していないが、介護サービスは、『介護職員』だけで動いているという意識は捨てていただきたい。
今まで国が求めてきた介護の質と人材の数を担保するには、処遇を上げるしかない。処遇が上がれば魅力が生まれ、魅力があれば人材はそこに集まる。処遇改善加算を手厚くしても、報酬全体が下がれば、介護従事者の処遇は絶対に改善されないことを繰り返し申し上げる」。

続いて染川事務局長が、介護現場の現状を報告。「もうすでに現場は人手不足の状況にある。介護現場では、事業採算が合わずに事業所を閉鎖するのではなく、人手が足りないために閉鎖する事例が後を絶たない。特に訪問介護の現場は深刻で、サービス依頼を断っているケースさえ多数ある。また、他業界では『正社員になれる』となれば喜ぶだろうが、訪問介護現場の正社員は人手不足の影響で激務にさらされていることから、『正社員になるのであれば辞める』という声さえ聞く。それほど現場は疲弊している。介護事業は、他産業と違ってコストを価格に上乗せできないのだから、今こそ介護報酬を上乗せしていただきたい」と求めました。

さらに、村上副事務局長は「2014年度処遇改善調査」の結果を示した上で、「処遇改善加算の対象外の職種は、加算が賃金に反映されていないものの、事業者の持ち出しによって処遇を補っている場合がある。しかし、介護報酬が下がってしまえば加算対象外職種の賃金が低下することも考えられ、離職率の増加や、チームケアに影響が及び質の低下につながるのではないか」と指摘しました。

民主党議員からは、会議に参席した厚生労働省担当者に対して「現場がこれだけ『待遇改善のしようがない』と言っているのだから、厚労省は無責任に『報酬は下げるが賃金は上がる』と言うべきではない」などの発言がありました。
なお、今回のヒアリングを経て即日、民主党は厚生労働省に対し、介護報酬の引き上げを申し入れました。
具体的な報酬改定の内容は、一月中に明らかになる予定です。政府の今後の動向を注視しましょう。

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民主党議員、厚生労働省担当者、報道関係者など100名近くが集まる中、陶山会長が「介護報酬引き下げに反対する」と発言

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