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「介護報酬の引き上げ」など6項目を求め、厚労大臣あて要請書を提出

2020年9月8日掲載

9月7日、日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、2021年度の介護報酬改定にあたり、介護報酬の引き上げや報酬改定ルールの明確化などを求める『介護報酬改定に係る要請書 ─介護人材確保のために─』を厚生労働大臣あてに提出しました。
この要請は、NCCU久保芳信会長とUAゼンセン松浦昭彦会長の連名によるもので、介護従事者が安心・安定して永く働き続けることができる報酬改定を実現すると共に、介護業界以外で働く労働者も介護サービスを利用する立場からその必要性を理解するとし、次の6項目を求めたものです。

『介護報酬改定に係る要請書 ─介護人材確保のために─』
1. 介護報酬の引き上げを行うこと
2. 介護報酬は簡素で納得性のある設計と、改定ルールを明確に
3. 「介護職員処遇改善加算」等の仕組みを再構築すること
4. 身体介護と生活援助を一元化すること
5. 介護従事者の確保と定着のための施策の推進
6. 介護ロボットの活用と推進
※要請書全文は本ページ下のPDFをご参照ください。

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この日、NCCU久保会長、染川朗事務局長、村上久美子政策部門長はUAゼンセン松浦会長と共に厚生労働省を訪ね、大島一博大臣官房長に面会して『介護報酬改定に係る要請書』を手渡しました。
久保会長は、「社会保障審議会介護保険部会の委員として、介護に働く立場で日頃から意見させていただいている。各委員からも人材確保に向けたご意見を出していただいており、国も処遇改善の手立てを講じているが、介護従事者の賃金は全産業平均に比べて未だに低い。来年度の介護報酬改定に向けて、ぜひご配慮いただきたい」と求めました。
続いて染川事務局長が要請6項目について説明。特に項目1の介護報酬引き上げについては、NCCUの各分会が取り組んだ今年の賃金改定交渉結果を示し、「介護職員処遇改善加算等を含めた賃上げは加重平均で1万6,226円だったが、そうした国の施策分を除けば、私たち労働組合が事業者と話し合い事業者努力で引き上げられたのは4,232円に留まっている。一方、多様な産業の労働者が集まるUAゼンセンの平均は6,093円だった。つまり、現状では加算等の国の仕組みがなければ全産業平均との賃金格差は毎年広がっていくのが実態。ぜひそれをご理解いただき、報酬の引き上げを要請したい」と述べました。

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久保会長、染川事務局長の発言を受け、大島大臣官房長は次のように答えました。
「このコロナ禍の中で、日本の介護現場が優れていることがあらためて証明されている。欧米では高齢者施設で亡くなる方が4割、中には6割、7割に上るが、日本では1割くらい。一つには、職員の方々の意識が高く、普段からきちんとやられているということだと思う。手指消毒や換気も含め、多くの介護現場ではこれまでも感染症対策をきっちりとされていて、今はそれに増してやっていらっしゃることが要因だと思う。評価して報いる、そういった土壌はあると思うので、そういうことを目指していくというのはその通りではないかと思う」。
「魅力ある職場であることは間違いないと思う。しかし業務上の書類をたくさん書いたり指導監査のためのあれこれなど、本来のケアや支援という意味からすると、そういったことに貴重な資源を割くのはもったいない。記録や書類などはなるべく簡素化して、それもIT化などでご負担をかけずに、なるべく本来の仕事に時間を割いていただけるようにしていくのは、仕事の魅力を高めるという意味でも大きなポイントだと思う」
「いただいた点を含めながら次の介護報酬改定でなるべくそれを実現していくことが必要だと思う。実際には給付費分科会で細々とした議論が行われ、その意見に則って進めていくが、大きな方向性はやはり職員を大切にし、魅力ある現場にし、賃金格差を縮めること。それでなおかつ処遇の質を上げ、利用者にとってよりよい役に立つサービスを実現するということに尽きる。そういった目標は共有化されている。現実には限られた財源や順番の問題はあるが、常に少しずつでも良くしていくことで、未来がある業界、皆から大切にされている業界だと思ってもらえることが大切。半ば公的な部分を担っていただいているわけで、今回のコロナ禍を一つの契機にして雰囲気ができつつあると思うので、それを広げていければと思う」。

今回の要請には、UAゼンセン組織内議員の川合たかのり参議院議員、田村まみ参議院議員も同席してくださいました。川合たかのり参議院議員は、「人材不足は労働の対価や労働市場の動向にも左右される。仕事に見合うだけの給与水準ではないと思われているし、現実にそうであることが、結果的に深刻な人材不足を生じさせているのであれば給与を上げる必要があるし、負担を軽減させて労働生産性を上げていくという切り口もある。財源の問題もあり簡単に進まないのは重々承知の上でなお、ぜひ前向きに取り組んでいただきたい」と述べ、要請を支援してくださいました。

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要請書提出後、厚生労働省内の記者クラブに場所を移し、記者報告会を行いました。
20名近い記者を前に久保会長が要請書提出の報告を行った後、染川事務局長が要請の内容を説明。中でも要請の項目2にある介護報酬の改定ルールについては、次のように述べました。
「2009年度の報酬改定は介護職員の処遇改善という目的が明確にされていた。しかしその後は明確にされない中で報酬改定が行われている。ある意味、処遇改善を目的としたものはすべて処遇改善加算・特定処遇改善加算にして、それ以外はマイナス改定が続けられているとも言える。あたかも介護従事者の処遇改善は国がやるものというイメージだ。介護現場では、ケアマネ業務のように慢性的に赤字が続いている事業内容のところもあるにも関わらず、そこにメスを入れない改定が続いており、そういったことも含めて報酬改定のルールを明確にしていただきたいと考えている」。
さらに染川事務局長は、今回の要請をさらに後押しするため、現在『50万人署名活動』に取り組んでいることにも触れ、「前回の報酬改定の際には30万人の署名を提出して報酬引き上げを求めたが、今回は何としても50万人の署名を集め、これだけ多くの方々が要望しているんだということをあらためて要請したい」と訴えました。

※要請書全文は本ページ下のPDFをご参照ください。

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