11月11日、内閣府の「実践キャリア・アップ戦略 専門タスク・フォース 介護人材ワーキング・グループ(WG)」第6回会合が開催され、委員を務める河原政策顧問が出席しました。同WGは、公的に介護人材の実践的能力を評価する仕組みの導入に向けた議論を重ねており、これまでの会合で、7段階のレベル設定(案)などが示されています。
今回は、認定開始に先立って実施する実証事業の評価基準(案)が示されたほか、実証事業の進め方や今後の検討事項などが議事に上りました。
実証事業の評価基準(案)は、介護技術や利用者視点を評価する13の中項目と53の小項目から成り、施設・在宅共通のチェック項目と、施設のみのチェック項目があります。
この評価基準案が介護現場の実態に合っているかどうか、また信頼性や妥当性などを確認するため、来年3月までに被災地を含む4都道府県の事業所・施設において1,300人程度を対象に実証事業を実施。その調査結果をとりまとめた後、来年10月をめどにレベル認定をスタートさせる予定で、当面は、政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」に基づき、被災地におけるレベル認定を重点的・先行的に行う方針です。
これらの内容を受け、河原政策顧問は、次のように発言しました。
「評価基準案の項目は小委員会で絞り込んだと聞いているが、それでもなお53の評価項目がある。この量は、介護現場で内部評価を行う担当者にとって非常に負担が重い。項目の量にもっと配慮していただくことは可能だろうか」。
これに対し、事務局は「項目数だけを見ると多いと思われるかもしれないが、その内容はサービス行為の流れに沿ってチェックしやすいものになっている。ぜひご理解をいただきたい」と回答しました。
また河原政策顧問は、「外部評価を行うのは、情報公開制度の調査機関や第三者評価機関などを予定しているとのことだが、評価を行う人員の体制づくりは大丈夫なのか」と質問。これについては「外部評価者の能力要件も合わせて、今後検討していく予定」との回答がありました。
さらに、「介護現場で働く人たちに向けた広報活動はどのように考えているか。制度内容やスケジュールについて、十分な周知が行われるのか」との河原政策顧問の問いかけに対し、事務局は「しっかりと検討し、広報を行っていく」と回答しました。
介護スキルを公的に評価する「実践キャリア・アップ制度」の議論が進んでいます